真実はひとつのはずなんですけど
事実はそれを見た人の数だけある、ということのいい例ですな。
自民党の中川秀直国対委員長は29日、日中関係の障害となっている小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題で、靖国神社と遺族の協議による自発的なA級戦犯の分祀(ぶんし)実現に期待を示した。同時に、当面は小泉首相が「私人」として参拝することで、中国側の理解を促したいとの考えを表明した。フジテレビの番組で語った。与謝野馨政調会長も同日のテレビ朝日の番組で、解決策として分祀に言及。首相の参拝を「一定の外交的効果を持っており、内政だけ(の問題)ととらえるのは、範囲が狭すぎる」と述べ、安倍晋三幹事長代理らが中国の批判を「内政干渉」と反発していることにくぎを刺し、中国側にも一定の配慮をみせるべきだとの認識を示した。
中川氏は「靖国神社と遺族が話し会い、A級戦犯の分祀を自発的にする。それで中国も日本の国連安全保障理事会常任理事国入りに賛成する(ことが望ましい)」と述べ、靖国問題と日本の常任理事国入りをセットで解決すべきだとの見解を明らかにした。
[共同通信社 5月29日21:15]
首相の靖国答弁「私的参拝を強調」自民・中川氏 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).
自民党の中川秀直国会対策委員長は29日のフジテレビの報道番組で、靖国神社参拝に関して、小泉首相が20日の参院予算委員会で「個人の心情として参拝している」と答弁したことに言及したうえ、「大平、鈴木元首相がこういう形で参拝した時、中国はあまり問題にしなかった。その状態に戻す意思表示と取れる」と述べた。1985年の中曽根首相の公式参拝以降、中国側が参拝を問題視するようになったことを踏まえ、小泉首相としては、私的参拝を強調することで中国側の理解を得たい考えがあると指摘したものだ。
また、中川氏は、靖国問題の根本的な解決方法として「ご遺族と神社側が話し合い、A級戦犯の分祀(ぶんし)や分霊を自発的にやることが望ましい」と強調した。
(2005年5月29日23時39分 読売新聞)
上の二つの記事は同じ番組に出た同じ人の発言を報じているはずなんですが、発言内容のどこを重視するかでほとんど正反対のニュアンスの記事になってるのが面白いです。
まぁ、この問題については26日の自民党・森岡厚生労働政務次官の「A級戦犯はもう罪人でない」発言でますますヒートアップしているわけですが、ワタシ的には東京裁判の意味はともかく、死刑判決を受けて刑場の露と消えた7名の方と、拘留・服役中に死亡した7名の方(この14名↓が靖国神社に祀られています)は、その死をもって罪を償ったと考えるので森岡氏の発言に与するものであります。
●死刑判決により絞首刑
東條英機 板垣征四郎 木村兵太郎 土肥原賢二 松井石根 武藤章 広田弘毅
●終身刑により服役中に獄中で死亡
梅津美治郎 小磯国昭 平沼騏一郎 白鳥敏夫
●禁固20年により服役中に獄中で死亡
東郷茂徳
●その他、判決前に病のため病院にて死亡
永野修身 松岡洋右
(参考:ウィキペディア「A級戦犯」「首相、大臣の靖国神社参拝問題」)
| 固定リンク
「マスコミ批評」カテゴリの記事
- NHK-BSディベート「日韓の課題」(2005.06.19)
- 敵は台湾にもあり?(2005.06.14)
- 真実はひとつのはずなんですけど(2005.05.30)
- 報道による印象操作の例 その2(2005.05.25)
- 報道による印象操作の例(2005.04.28)
コメント