読書録:「白き女神を救え」クライブ・カッスラー&ポール・ケンプレコス
白き女神を救え
クライブ・カッスラー&ポール・ケンプレコス/訳・土屋 晃
新潮文庫
\857
2003年4月1日発行
2006年3月15日読了
『コロンブスの呪縛を解け』に続く“NUMAファイル”第2弾である。今回、カート・オースチン&ホセ・“ジョー”・ザバーラのコンビを待ち受けるのは、世界の淡水を意のままにしようとする巨大企業。北はアラスカの雪原から南はアマゾンのジャングルの奥深くまで、オースチンとザバーラがアメリカ大陸を縦断する大活躍を見せるのである。前作に比べると物語のスケールも大きくなり面白みも増したが、それでもまだカッスラーの本流『ダーク・ピットシリーズ』にはかなわない的。
しかし、考えてみれば本書に書かれている通り淡水は戦略物資の最たるモノであらう。水道事業が完全民営化され、それが外資に乗っ取られたりした場合、その企業の胸先三寸で国家の存亡まで左右されかねないという事態は、確かに考えられないことではない。幸い日本は水に恵まれているためそのような事態は起こりにくいと思うのだが、砂漠の国などでは切実な問題であらう。本書に登場するような画期的な海水淡水化技術が現実になる日が来るといいのだが。(~。~;)
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