読書録:「マルサン-ブルマァクの仕事」くらじ たかし
マルサン-ブルマァクの仕事
●三郎 おもちゃ道
(●は「金尊」で一文字、「いしづき」と読む)
くらじ たかし
文春文庫
\533
2001年6月10日第1刷
2006年6月3日読了
「マルサン」も「ブルマァク」も、30代後半より上の世代、特に男性にとっては懐かしい社名なのではないだらうか。「マルサン」はブリキのおもちゃや怪獣ものの人形(“フィギュア”などという言葉は当時あるわけがない)メーカーとしてのみならず、モデラーにとっても伝説的なメーカーであり、また「ブルマァク」のウルトラ怪獣の人形は幼い頃に多くの男の子が手に取って遊んだことがあることと思う。ワタシも「ブルマァク」の社名は朧気ながら記憶にある。本書はそのマルサンで営業マンとして活躍し、同社の倒産後はブルマァクを興して一時は一世を風靡した●三郎氏の目を通した、この二社の栄枯盛衰の物語である。ひたすら『子供のためのおもちゃ造り』を追い求めた●氏の辿った道は、そのまま1950年代から1970年代にかけての、日本の男児向けおもちゃの歴史の一面であったといってもいいだらう。幼い頃の自分が無邪気に(そんな時代もあったのさヽ(`Д´)ノウワァァン!!)遊んだソフビの怪獣の、裏に隠された物語を知ることができるとはなんと楽しいことなのだらうか。(^o^)
また、本書で貴重なのは巻末のマルサンとブルマァクの製品リストである。ワタシが興味を惹かれるのはなんといってもプラモであるが、後にフジホビー→アルカンシェールと引き継がれた1/50のF-86Dセイバードッグ(これは今でも名作と言われている)や、サニーに引き継がれた1/50のF-4ファントムII、フジホビー→河合商会と引き継がれた1/100のF-86Fセイバーの他にも多数のキットが作られていたことがわかる。1/700の旧日本海軍の軍艦や、1/72の米独AFVなんてのまであったのは初めて知った。現物を激しく見てみたいなぁ。
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コメント
小さいころにはマルサンのプラモデルをいくつか持ってした。最大の大物は、なんといっても排気口から「煙を吐く」ロッキードF-104栄光。たしか1/32スケールくらいの大きさだったと思います。これはいまでは激レアらしく、中古プラモ屋でもみかけませんね。どんなものだったのか、姿形くらいはもういちど見てみたいものですが。
しかし、そんなのは誕生日のプレゼントとか、特別な時にしか買ってもらえず、普段はせいぜい50円の1/100シリーズを買うのがやっとでした。実はそれもまだ贅沢品で、一番よく買っていたのは三共の1/150ピーナツシリーズでしたが^^;
ブルマァクの方はずっとあとの話なので、特別な思い出はありませんが、倒産直後にたたき売りされていた超合金のメカゴジラを友だちが沢山手に入れて、僕も一個譲ってもらいました。いまではパーツが欠けたりしていますが、それでも一応まだ手元にあります^^;
投稿: TOM | 2006.06.05 01:25 午前
ワタシがプラモを作り始めた頃には、すでのマルサンは過去のメーカーになっていたので、マルサンのキットを作った記憶はないんですよね、残念ながら。(´・ω・`)
TOMさんが仰るマルヨンですが、リストの中には1/32くらいのマルヨンはないんですよ(1/50、1/80、1/100しかない)。長さから考えるとこれがクサイのですが(274ページ・1957年の製品リストより)。
4)ロッキード発火ジェット機
強力フリクションにより発射口が赤く発火する。長さ一尺六寸で三一〇円。
(一尺六寸=約60.8cm、マルヨンの1/32は約55.5cm)
プラモではないですし、「排気口」ではなく「発射口」だというのがちょっとツライとこです。あと空自のマルヨンは1959年に採用されているので、このおもちゃは米軍マーク付きか、あるいは架空のマークとかを付けてたのかもです。だもんで、やっぱリストにはないプラモなのかしらん。
投稿: KWAT | 2006.06.05 11:31 午後
その後、↓のようなページをハケーンしますた(^_^)/
http://www.joy.hi-ho.ne.jp/shinoda/model/map.htm
これによりますと、どうやらそのキットはマルサンではなくオオタキの製品だったようです。当時はプラモというとマルサンか三共だったので、デラックスキットは当然マルサン、という思い込みがあったのかもしれません。
投稿: TOM | 2006.06.06 12:07 午前
なろほどオオタキでしたか。オオタキのキットってそういえば作ったことないような気がします。ナナニの現用機をほとんど出してなかったからだと思いますが。
投稿: KWAT | 2006.06.08 02:44 午後