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2006.06.21

読書録:「ノドン強奪」トム・クランシー&スティーブ・ピチェニック

Op_nodon2
ノドン強奪
【トム・クランシーのオプ・センター】
トム・クランシー&スティーブ・ピチェニック
/訳・伏見 威蕃
新潮文庫
\781
1998年10月1日発行

2006年6月20日読了
 言わずと知れたテクノスリラーの第一人者、トム・クランシーが、精神科医で作家のスティーブ・ピチェニックを共著者に迎えて描く『オプ・センター』シリーズの第1作。『オプ・センター』とは翻訳者の解説によれば「テロリズムや地域紛争のたぐいに対処する危機管理センター」であり、直接的な軍事行動にも対処できる専属の特殊部隊を配下に持っているため、急場にも即応できる態勢となっている組織である。この組織の長官ポール・フッドは軍人出身ではなく元ロサンゼルス市長である、というところが特徴的。家族と仕事との板挟みになりながら、一癖も二癖もある部下達を苦労してまとめ上げる中間管理職のような彼の姿がよく描かれている。
 さて、本書は韓国・ソウルでの大統領就任式典で起きた爆弾テロをきっかけに、北朝鮮のノドン・ミサイル発射基地を乗っ取って朝鮮半島統一のため第二次朝鮮戦争を仕掛けようとする陰謀を、KCIA幹部と協力して防ごうとするオプ・センターの活躍を描いたもの。何しろ現実世界では、ちょうど北の将軍様が打ち上げ花火を上げるのかどうなのか、という事態が進行中なだけに、日本に向かって発射されんとするノドン・ミサイルのカウントダウンを止めることができるのか? という緊迫のクライマックスが妙なリアリティを持って迫ってきたものである。
 それにしても困るのは、主要登場人物が韓国人だったり北朝鮮人だったりするので、どちらの陣営にも「キム某」がいるわけである。だもんで、この「キム」はどっちの人間だっけ? とアタマがこんがらがってしまうのであるよ。それでなくても海外の小説は登場人物がカタカナばかりでこんがらがりやすいってのに。ヽ(`Д´)ノ
 あと、カバーイラストにはフランス製のミラージュ2000Dが描かれているのであるが、これが米軍の国籍マークを描いているのである。作中では本機がなぜか米空軍の偵察機として登場し、イラストにあるように北朝鮮空軍機の迎撃を受けてしまうのであるが、いくらなんでもミラージュを米軍機にしなくても、とマニア的には思わないでもない。本当に米空海軍が装備している機体を出すと生々しすぎるのか、と思ったのだが、その後でF-117Aも出てくるのでそうでもないらしい。なんでだろ?

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コメント

 えーと・・・まだ読んではいないのですが、表紙の上朝鮮空軍機、もしかしてミグ15?(爆)イラストレーターの苦悩が見えてしまいそう('A`)
ミラージュを使ったのは「どこの空軍がやったのか、偽装する為」なのかも、と思った私。(さすがに台湾機がやって来るとは思われないだろうし)

投稿: みほり | 2006.06.26 05:11 午前

 そうですMiG-15です。ちなみにイラストを描いたのは佐竹さんですよ(笑)。

 偽装するもなにも、作品中では当たり前のように米空軍のミラージュ2000として出てきました。だもんでちょいとメガテンになったんですけどね。トム・クランシーとの共著でこんなんアリなのか? って。クランシーは名義貸しやってるだけなのかな。

投稿: KWAT | 2006.06.27 01:17 午前

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