読書録:「究極の鉄道殺人事件」辻 真先
究極の鉄道殺人事件
辻 真先
双葉文庫
\485
1995年2月15日第1刷発行
2006年7月30日読了
実は1週間以上前に読み終わっていたのだが百里航空祭のレポートを書くのにかまけて読書感想文を書くのをすっかり忘れていた(爆)。本書は著者お得意の入れ子構造になっていて、中に3編の短編推理小説が挟まっている。『1冊で4度美味しい』というわけだ(笑)。なぜ“究極の鉄道”なのか、それは挟まっている小説のうちひとつは日本に鉄道というモノが開通した直後の汽車の中、ひとつは架空のリニア新幹線の中が舞台だからである。このリニア新幹線、時期的には200X年となっているが、物語中では愛知万博がまだ開幕していないので2004年ごろということになろうか。単行本の刊行が1992年であるから、10年もすればリニア新幹線が開通しているだらう、とあの頃は考えられていたのであらうな~、と今思うと微笑ましくもある(爆)。もちろん本書の本題はこの入れ子の小説ではないわけで、最終的には辻作品らしく意外な人物が犯人であると判明するのである。この肝心の部分が、ちょっとこじつけっぽく感じられたのではあるが、それでも『1冊で4度美味しい』本書はお得感たっぷりなのであった。(^o^)
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