自分だったらどうするだろ・・・
いつも日曜にはTBSラジオの「伊集院光 日曜日の秘密基地」を聞いてます。先週(9月3日)はスペシャルウィーク(聴取率調査週間・・・早口言葉だな)第2週ということで「突撃!インタビューマン・スペシャル」というのをやってました(今週は平常営業でしたけど)。そこで放送されたお話のひとつです。テーマは「一番泣いたのはいつですか?」、インタビュアーはTBSラジオの橋本ディレクター、場所は渋谷、そしてインタビューの相手は30歳の消防士の方です。インタビューをテキスト起こししたので、文章としてはちょっと読みにくいですけど。
あのー、首都高で交通事故があって、消防車で行ったんですよ。トラックと乗用車の交通事故で、乗用車の運転手が、もう、車に挟まれて、下半身がないような感じだったんです。普通それで死ぬんですけど、ごくまれに、こう、圧迫されていることによって、あのぅ、ま、生きるために必要な血圧だとか出血が止められたりとかして、生きてる場合があるんですね、ごくまれに。で、その時もそんな感じの状態で、ただ、助けるためには、その車を、広げなくちゃいけないな、と。でも広げると、出血はしちゃうし、血圧も下がっちゃうから、結局はもう、それで、死んでる様な状態と同じ、なんですよね。で、行って、助けるための準備とかしようと思って、まわりがこう、準備しだしたんです。あのぉ、いろいろ機材の設定をしたりとか。で、その間に、こう、その人に聞かれたんです。「私はあとどれくらい持ちますか?」
本人も状態を判ってて、で、それですっごい迷ったんですけど、「どんなに長く持っても、あと5分ぐらいです」って言ったんです。ま、なぜ言ったかっていうと、最期に家族の、誰か話したい人がいるんじゃないかな、と思って。それで、「誰か話したい人いますか?」って聞いたら、ま、「家に電話したい」って言うんで、その人の携帯電話を借りて、ちょっともう首から下が動かない状態だったんで、あの、家に電話したんです。でも何回電話しても出ないんです。夜中の3時くらいだったんで、たぶん寝てたと思うんですけど、で、何回かけても全然電話に出ない。で、そしたらその人が「もういいです」って言う。で、「じゃぁ何か家族に伝えたいことありますか?」って言ったら、「じゃぁこれこれこれこれこういうふうに伝えて下さい」って。「じゃぁ判りました、責任持って伝えます」って言ったら、何か言おうとした感じをしたんですけど、そのまま意識失っちゃって。
そこからすぐに救助活動を開始して、まぁ数分後に引っぱり出したんですけど、もう当然亡くなってるんです。で、現場に医者を呼んでたんで、医者がそこで死亡確認をして、じゃぁ帰ろう、と思って引き揚げようと思ったら、その人の携帯電話が鳴るんです。
出なくちゃいけないと思うんですけど、出たくないんです。しょうがないから電話に出て、で、こう、まぁ、「いま首都高でこういう事故があって、で、あのぉ、家族にこういうふうに言ってました」ってことと、「あと、さっきの電話は、私が、あのぉ、事故の報告をするために、電話しました」って。でもその人がその時生きていて、家族に話したかった、ってことは、言わなかったんです。
ま、それ言う、言う、ホントは言うべきかどうかわかんなかったんですけど、まぁ、家族も、どういう理由があったかどうか知らないけども、あのぉ、ね、その、何かの事情で出れなかったっていうのを知ったら、傷になるんじゃないかなって思ったんで、言わなかったんですけど。でまぁ、結局それで帰ってきたんですけど。
帰ってからはなんでもない顔してるんですけど、あの時どうしたのかなぁ、みたいな、ホントにその人に告知したのが正しかったのかとか、家族に電話をしたのはホントはどうだったんだとか。たとえば、家族に電話がつながらなかったんですけど、もしつながったとしても、その人は家族にじゃぁ何と言うのかな、ってあとで悩んだんですよ。
・・・自分がこの消防士の立場だったらどうするだろう、と思うのはもちろんなんですが、むしろ運転手の立場だったらどうするか、そっちのほうを考えてしまいますねぇ。何の前触れもなしに、いきなり自分の人生だけがあと5分で終わるんですよ。カミさんとか親とか、大事な人とか親しい人とかに連絡を取ろうか、あるいは取るべきではないか、取ったとしたら何を言うべきか言わないべきか、取らないなら自分の最期を看取るであらう消防士の人に何を言えばいいのか、あるいは何も言わないほうがいいのか。なかなか結論は出ません。
でもワタシはクルマで通勤しているので、これと同じ事態に陥る可能性はゼロではないわけです。常に考えておいたほうがいいんだらうな~、とか思いつつ、でも日々のんべんだらりと過ごしてしまうんですよね。いかんよなぁ、もっとその日その時を大切に生きなきゃね。(゚゚)(。。)(゚゚)(。。)ウンウン
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コメント
ご本人、さぞご無念だったことでしょう。
家族に残すことすらできなかったんですからね。
たぶん私はそんな心にはなれないと思います。思いっきりもがきそうな気がします。
投稿: ゆずこせう | 2006.09.11 07:16 午後
その時にならないとどういう心境になるかわかりませんが、たぶん未練たっぷりだらうな~、とは思いますねぇ。きっとワタシもじたばたするんではないかと。
投稿: KWAT | 2006.09.12 04:13 午後