読書録:「北朝鮮の決断」ジョン T.キャンベル
北朝鮮の決断
ジョン T.キャンベル/訳・小関 哲哉
二見文庫ザ・ミステリ・コレクション
\631
1994年1月25日初版発行
2006年12月2日読了
著者は元米海軍の機関科将校だった人物。『北の情報部の逝かれた偉い軍人が老いぼれた主席を暗殺して国を乗っ取り、朝鮮戦争時代にアメリカから受けた屈辱を晴らすべく、部下に命じて米空母H.S.トルーマンを乗っ取って核兵器を奪取しようとする』というストーリーは、ちょっと間違えればトンデモ架空戦記にでもなりそうな内容である(爆)。実際、空母を行動不能にしたそのやり方はまさにトンデモだったが(あのやり方は偶然に頼りすぎで絶対に成功しない)、わずかに残った無事だった空母の乗員と北朝鮮軍コマンドとの、空母内での攻防はまぁまぁ読めた。ここらへんは著者の経歴からであらう。著者経歴には「軍艦<シャングリラ>に乗り込み」とあるのだが、これはエセックス級空母のアレなのであらうか。だとしたら空母の艦内の描写が上手いのも頷ける。ただやはり飛行機は専門外とみえ、空戦シーンや北のミグ(29?)が空母を銃撃するシーンなどはあまり真に迫ってこないのであった。
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コメント
まあ、なんだ。「イルボンの自慢するイージス艦を乗っ取るニダ、ホルホルホル」って作品も映画になるくらいですからねい。
架空戦記なら「ステルス艦カニンガムシリーズ」の私ですけどね。
投稿: ゆずこせう | 2006.12.08 10:27 午後
少なくとも、この作品が映画になることはまずないと思いますね。空母がこんなに間抜けぢゃ米海軍が許してくれないでせう(笑)。
カニンガムシリーズ、面白いとは聞いてますがまだ読んだことはないですねぇ。チェキしてみますかね。
投稿: KWAT | 2006.12.10 03:10 午前