読書録:「面白南極料理人 笑う食卓」西村 淳
面白南極料理人 笑う食卓
西村 淳
新潮文庫
\400
2006年6月1日発行
2007年3月16日読了
海上保安官であり料理人でもある著者の、南極での料理の日常を綴った前作「面白南極料理人」の続編、というか“南極レシピ本”とでもいうべきか。『食材は全部冷凍・乾燥・缶詰食品で、お湯は八五℃で沸騰し、補給は絶対不可能の環境』(本書「まえがきと謝辞」より)で、隊員たちを飽きさせない料理を毎日作るには創意工夫が欠かせない。雪上車内の限られた調理器具で作るパチモンチャーハン「中華ピラフ」、シューマイ作ろうとしたが具を皮で包む時間がないから、皮の代わりに片栗粉で包んだ皮なしシューマイ「楊貴妃の涙」(命名・デーモン小暮閣下)、大量に余っていた伊勢エビ(新鮮な水産物はオーストラリアで調達するのだが、そこではロブスターは安いので調達係がつい買いすぎたのだ)のデカさに気圧されて、隊員たちの食が進まないため苦肉の策として編み出した「伊勢エビのすり身団子」(それにしても『松雪泰子を山田花子に蹴落としたようなレシピ』とは言い得て妙だ(^◇^;))など、日本にいては考えつかないか、思いついても実際にやろうとは思わないような料理であらう。本書ではそれら「南極料理」のレシピも付いているので、心得のある人は実際に作って味わうことができるのもウレシイ。
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