読書録:「フレイムアウト」キース・ダグラス
フレイムアウト 第14空母戦闘群(4)
キース・ダグラス/訳・栗山 洋児
光人社NF文庫
\857
1999年7月18日発行
2007年3月31日読了
“第14空母戦闘群”シリーズ4作目。これまでの3作で太平洋からインド洋に渡る海域で戦ってきた、アメリカ海軍空母ジェファーソンを中心とする第14空母戦闘群。前3作からかなりの時間が経過した今作では大西洋艦隊に配置換えになったようで、北大西洋海域でソ連(ロシアではない!)の海軍航空隊と渡り合うのである。何しろこの物語の世界では、復活したソビエト連邦が強大国の威信復活を賭けてノルウェーに侵攻するのである。紛争に巻き込まれるのを恐れるヨーロッパ諸国は中立を決め込み、民主党のアメリカ大統領は海外での軍事力行使に慎重になるあまり手をこまねいているその隙をついて、ソ連はノルウェー占領まであと一歩というところまで迫っている。たまたまその紛争地域の一番近くにいた第14空母戦闘群は、援軍を期待できない状況のままでソ連の空母航空隊や原潜と立ち向かわなければならないのであった。
今作では、成り行き上何の心構えもなしにいきなりCAG(空母航空団司令)の職務を遂行することになったマシュー・“トゥームストーン”・マグルーダー中佐(今作から昇進している)が、飛行隊の先頭に立ってブンブン飛んでいればよかったこれまでと違い、自分の指揮如何で数百人の生命を左右するCAGという立場に苦悩するのである。とはいえ、そういう話の筋にするのであれば、もうちょっとそこらへんを掘り下げて描写しても良かったのではないかな~、と感じた。もっともその分派手な戦闘シーンが削られたら、それはそれで面白くはないのであるが。
それはそうと、敵役には間抜けな上官が必ずひとりは必要なようである。そうでないと話がうまく進まないからなんだろな。(^◇^;)
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