読書録:「正岡子規殺人句碑」辻 真先
正岡子規殺人句碑
辻 真先
中公文庫
\505
1995年3月18日発行
2007年10月20日読了
いくら辻作品が気軽に読めるミステリーだからって、まさか合計で2時間もかからない、新橋までの往復の電車内だけで読み終わるとは思わなかった(笑)。そんなことはともかく、本作の探偵役・朝香響は大新聞社主の妾の子という、かなり屈折した出自であり、そのせいか辻作品の主人公としては珍しく大人しい、というかむしろ暗い性格をしている。その響が尾道で自殺現場に出くわし、死者の実家の松山・道後温泉で正岡子規に傾倒していたその人物が主宰する同人誌を手がかりに、謎めいた“自殺事件”を紐解いていくのである。今回はトリックではなく動機にちょっと無理がないではない感があったものの、著者得意の劇中劇ならぬ作中作もあって、いつものように肩の凝らないミステリーであった。ただ今回は死者数がちょっと多かったかな?(^◇^;)
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