読書録:「成層圏の標的」鳴海 章
成層圏の標的
鳴海 章
角川文庫
\533
1998年9月25日初版発行
【カバーイラスト:佐竹政夫】
2008年7月5日読了
自衛隊にクーデターは可能だらうか。あるいは、自衛隊が野党第一党と組んで政変を演出したら・・・。「蒼穹の射手」の続編に当たる本書では、前作でお蔵入りになり解体されたはずだった“イーグルDJ改”を航空自衛隊の一部勢力が書類を操作して温存し、政官財界の一部勢力と結託して平成維新を目指そうと蠢くのである。
まぁいわゆる『陰謀』である。確かに本書で語られるようなことが実際に起きたら時の政権は即座に吹っ飛ぶであらうが、逆にこれだけ多くの人間が関わった陰謀は、成功する前に確実に破綻するであらう。人の口に戸は立てられないのだから。また、肝心のイーグルDJ改は最後の最後にチラッと出てきて、しかもただ飛ぶだけなのだから、航空アクションを期待する向き(ワタシみたいな(笑))には物足りないと思われる。本書は航空アクションではなく、秘密を知ってしまった部外者(だがイーグルDJ改には深く関わっていた)パイロットと、彼を付け狙う謎の殺し屋との対決を楽しむ物語なのである。
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