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2008.10.13

読書録:「殲滅作戦キル・ボックス」クリス・スチュアート

殲滅作戦キル・ボックス
クリス・スチュアート
訳・広瀬 順弘
ハヤカワ文庫
\840
1999年8月31日発行

2008年10月11日読了

 「核爆撃機リーパーズ・シャドウ」(ハヤカワ文庫)に続く、現役(もちろん執筆当時の話だが)空軍パイロットの書く軍事冒険小説第2弾。今度の主役メカはF-15E、舞台はイラクである。であるからして、当然悪役はイラクであって、当時存命だったフセイン大統領(とその息子)が実名で登場するあたり、1998年当時のアメリカ軍人がイラクをどう思っていたのか(てゆーか「悪役として大統領を実名で出しても構わない」と思っていたのだらう)が伺い知れる。

 それはともかくこの物語では、イラクは最強の生物兵器を開発してアメリカ国内でテロを起こそうと画策するのである。それを阻止する主人公はアイダホ州マウンテン・ホーム空軍基地に所在する第366航空団第391戦闘飛行隊所属のF-15Eパイロット。著者は前作では自身の乗る航空機を取り上げたが、今作では自身の所属する航空団を舞台にしたので、基地周辺の描写や出撃前のブリーフィングの状況などはさすが真に迫っている。

 とまぁ、このへんまではいいのだが、物語が山場に差し掛かってくるとどうも話の密度が薄いと感じて仕方がない。登場人物の行動に『必然性』が薄く、説得力に欠けるのである。最後の場面に至っては、いかに時間がないとはいえどうして一介の空軍大尉が勝手にあんな手段を使って、敵対国とはいえ大統領(を名乗るフセインの息子)から情報を聞き出すことができるのか、全く説得力に欠ける。正直なところこの場面は興ざめであった。前作はまぁまぁ面白かったが、その時に感じた物足りない部分が良くなっていないのが残念であった。(~。~;)

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