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2008.11.23

考証は楽し・・・イカ?(ハセガワ1/72F-4海兵隊型(1)その3)

00_outer_navy0100_outer_navy04 ファントム海軍型の主翼外側(STN1/9)のパイロンについての考証を少々。実機写真で見てもお判りの通り増槽のパイロンをそのまま使っているようです。パイロンから増槽を外したあとで、パイロンの下側にアダプターを付けているように見えます。
00_outer_navy05 こんな写真もあったので、たぶんこの推測で合ってるでせう。
 
 
 
 
00_outer_navy0200_outer_navy03 ディテールはこんな感じ。
 
 
 
 
00_outer_navy06 ここで気になるのが、パイロンやその下に吊すブツの取り付け角度です。写真のように増槽は鉛直(地面に対して90゚)です。では増槽ではないモノを吊った場合でもそうなのかというと、どうもこれが一筋縄ではいかないラスイ。
 
00_outer_navy07_2 この写真では、外側パイロンに吊されたMER(Multiple Ejector Rack)に整備員がMk.82スネークアイを取り付けています。正面から見ると逆三角形に3発づつ、前後に計6発取り付けられているわけですが、その逆三角形が傾いて内側(写真だと左側)が低くなっているのがお判りいただけると思います。もちろん飛行機が傾いているわけではありません。MERは普通パイロンに対して直角に取り付けるので、そうであれば逆三角形の頂辺は水平になるはずです。写真自体が若干左に傾いているように見えますが、主翼前縁の角度に比べると明らかにMERの傾きのほうが大きいように見えます。MERの内側に吊った爆弾と主脚カバーが干渉しないように角度を付けているのでせう。パイロンは増槽と共通なので鉛直のままでせうから、恐らくアダプターで傾けているものと思われます。
00_outer_navy08 ところが、このMk.4HIPEG 20mmガンポッドを吊った写真だと、他の2本と銃口の角度や側面のスリットの位置などを勘案するに、主翼下のHIPEGは水平に付いているように見えます。太さは増槽とほぼ同じなので角度を付ける必要がないのでせう。となると、MERの場合とはアダプターが異なるのでせうか。謎は深まるばかりです。・・・まぁ正直なところ、こんな部分に拘っても不毛なので見たとおりに付けちゃいますけどね。(^。^;)ヨホホホ
00_outer_af0200_outer_af00_200_outer_af01 ちなみに空軍型の場合、パイロン自体が増槽とそれ以外を吊る場合とで異なっていて、増槽以外を吊るパイロンはそれ自体に外向きの角度が付いているようです。
 
F4marincover_1_03b_ てことで、その主翼外側パイロンの自作はここまで進んでます。右下にふたつ写っているフジミのパーツをそのまま使えば話は簡単なのですが(レビさんご提供感謝ですm(_ _)m)、もう一組必要なのでそれを参考にしてハセガワのパーツを加工します。まずは左上に写っている外翼タンクのパーツからパイロンだけ切り出します。次にプラ板(1mmと0.5mmを積層)でアダプターをでっち上げます(右中に写っている白い細長い物体)。でっち上げたソレを『型想い』を使って都合4個ポリパテで複製して(真ん中に写っている黄色いの)、固まったらパイロンの下に貼り付けます。右上で爪楊枝に刺さっているのがその状態です。あとはナイフとペーパー掛けで整形したら、左下に写っている振れ止め(ハセガワのF-15から流用)を取り付けて完成、となるはずです。他にセンターライン(STN5)のパイロンもひとつ作る必要があるのですが、これもフジミのパーツを参考にして1mmプラ板で自作。こちらは切って削るだけなので楽勝で(左上の白いの)、あとは振れ止めを付ければ完成です。コレに関してはどうせほとんど見えないのでテキトーにやってます。(^^ゞ
F4marincover_1_03a_ 残りの細かいぶら下げ物は1週間でここまで進展しますた。この先の上塗りがまた一仕事なんですが、これを済ませておけばあとは機体の製作に集中できるというわけで。あ、その前に脚周りも済ませて置いたほうがいい鴨。(~。~;)

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制作記:ハセガワ1/72 ファントム海兵隊型(1)」カテゴリの記事

コメント

うわあ、ルパーンを追いかけていたら
すごい考証を見つけてしまった
どうしよう(銭型♪

「ここ、違ってるよね」
っていう「知っている」ということを
さり気なく、やりすぎずにやっておく、

それがコレクションモデリングだぜ
さすがはKWATさん、俺たちに出来ないようなことをさらっとやってみせる!
そこに痺れるあこがれるぅ!(荒木節♪

投稿: Mach0.9 | 2008.11.24 11:27 午前

増槽のパイロンをそのまま流用しているという点では
模型的に正しいと思いますが

F-16と同じように
増槽とパイロンは一体式ですので
パイロンから増槽を外すことは出来ないと思います

パイロン上部の振れ止めの形が
違っているようなので要注意です

投稿: 3104 | 2008.11.24 12:07 午後

>>Mach0.9タソ

 例え同じように他人に指摘されるにしても、知らないでいて「え゛、そうだったんですかアタ(゚゚ )( 。。)フタ」とするより、「あーそれですか、知ってましたけどナナニでやってもあんまし見栄えも変わりませんし、まぁやらないでもいいかな、と( ̄ー ̄)」と答えたいものです。(゚∀゚)ア-ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!

 んなこと考えてるからWWIIのドイツ機模型の世界が「こわいよー」と感じてしまうのでせうなぁ。

>>3104さん

 それなんですが、たぶん空軍型はパイロンと増槽が一体になってるんだと思うのですよ。振れ止めの形状の件は、空軍で主力になって以降海軍型でも空軍の一体型増槽を使うようになったのだと考えれば辻褄が合います。RF-4Bが空軍機用の迷彩された370gal.増槽を吊っている写真もありますし。

 まず↓の2枚の写真に写っている、方や増槽付き、方や増槽無しのパイロンを比べてみると、下半分が増槽かアダプターかという以外に違いが見いだせないのですね。振れ止めも全く同じに見えます。
http://www.5053phantoms.com/photos/albums/userpics/151502_1_VF-21_GETA-O-PHOTO.jpg
http://www.5053phantoms.com/photos/albums/userpics/152314_1_VF-32_GETA-O-PHOTO.jpg

 また、↓だとパイロン下部のアダプターの形状が違いますが、上半分のパイロンの形状は変わっていないようです。
http://www.5053phantoms.com/photos/albums/userpics/F-4B%20149416%20AG-105%20VF-41%20%20650329.jpg

 さらに、↓の写真も増槽を外しただけにしか見えません。
http://www.5053phantoms.com/photos/albums/userpics/153003_1_VF-114_GETA-O-PHOTO.jpg

 ついでに、1978年に出た世傑旧版No.99「F-4ファントム海軍型(II)」の29ページに、このパイロンそのものズバリの図(パイロン+アダプター)が載っているのですが、解説では「主翼燃料タンクパイロン」となっています。

 そんなわけで、エントリー本文に書いたような結論に達したわけなのでゴザイマス。

投稿: KWAT | 2008.11.24 03:56 午後

http://www.5053phantoms.com/photos//albums/userpics/F4H-1F%20with%20assorted%20weapons%20load%20%20%20000000.JPG
これは試作型11号機ですが
この頃からパイロンと増槽は一体式だったと思うのです

同じパイロンを増槽と兵装用に使い分けて
増槽の時はパイロンごと投棄
兵装の時は主翼にパイロンを固定
しているように思えます

投稿: 3104 | 2008.11.25 08:14 午後

 要するにパイロンそのものは増槽でも兵装でも同じであるということですよね。増槽の時はパイロンに直付け(=一体化)するのでラックや振れ止めは必要ないということで。

投稿: KWAT | 2008.11.26 01:09 午前

初めまして。私も1/72専門でジェットを主に作っていますので、大変興味深く拝見させていただいてます。
パイロンの件ですがNAVYはトランスパックやフライトインなど以外にはほとんど370gを使わないので、私もこの外部パイロンに関しては、付けないか、クリーンの状態にしてるので調べて見たことがあります。結論としては370gタンクにはパイロンがついてないで、付ける場合には外部パイロンに差し込むような感じで付けるのではないかと思います。外部に兵装をつける場合(NAVYではTERぐらいですが)その下にアダプターを付けてさらにTERを付ける感じのようです。
パイロンの下面がタンク状に弧を描いていてアダプターの上面もそれを埋めるような形状ですね。ですから、以前はフジミのNAVYタイプのキットにはこのクリーン状態のパイロンが入っているので使っていましたが、ストックがない時は370gのパイロンを切り取って修正、アダプター部分を切り出して揺れ止めは、内部パイロン下に付くパーツを参考に自作しています。
ちなみに空軍型は一体のようですね。
また、世傑のNAVYファントム編によれば、初期の370gタンクはフレッシャー型と言って一般的なマグダネルタイプとは違うらしいですね。そちらは一体のようです。

投稿: ブラックナイツ | 2008.12.25 04:12 午後

 ようこそお出で下さいました。コメントありがとうゴザイマス。(*´∀`*)

 そうですよね、ネイビーファントムにはやぱしこのパイロンは欲しいですよね。ひとつきちんと作って、全体をレジンで複製とかできると後々ラクになるんですが、そんな高等テクニック(しかも面倒そう(^◇^;))は持ち合わせていないので、ポリパテ複製が精一杯なのでした。(^^ゞ

 では今後ともよしなに。

投稿: KWAT | 2008.12.26 01:02 午前

偶然このページを見ることになったのですが、
この話題にとても興味があったので手持ちの資料など眺めてみると、
確かに斜めに付いていますね。今まで気に留めていませんでした。

KWATさん提示の、MERへの爆弾取り付け写真は、おそらく
スコードロン/シグナルのUSMCファントム本の物だと思うのですが、
13ページの作業中の写真など見ると、明らかに角度が付いてますね。
話にある78年世傑ファントム号の、48ページ下の写真でも分かります。
パイロン自体は通常のアウターウィングパイロンに思えるので、
パイロン下面の取り外し部分を斜め用に交換しているのか、
MER/TER上面に斜め用アダプタを付けているんでしょうか。
手持ちの本や、ざっとネット検索した限りでは、
その辺に触れたものはありませんでした。

海軍型ファントムで、アウターウィングパイロンに爆装した機体の
真正面からの写真がなかなか見つからないんですよね。

投稿: KAZ | 2009.02.05 10:54 午前

 ようこそお出で下さいました。コメントありがとうゴザイマス。(*´∀`*)

 マッチョなマリンコには爆装がよく似合うので、このパイロンは避けては通れないわけですが、仰るとおりで調べてもどうも「これだ!」という資料や写真になかなかお目にかかれません。爆装状態を正面から写した写真があれば一発解決なんですけどねぇ。

 では今後ともよしなに。

投稿: KWAT | 2009.02.06 01:51 午後

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