読書録:「メイルストローム」キース・ダグラス
メイルストローム
第14空母戦闘群(5)
キース・ダグラス
訳・栗山 洋児
光人社NF文庫
2000年4月13日発行
2008年11月8日読了
1年半も間が空いてしまったが、“第14空母戦闘群”シリーズ5作目である。今作は前作「フレイムアウト」の続編になっていて、ノルウェー沖での米ソ(米露、ではない)空母艦隊同士の死闘は続いているのである。今作ではソ連海軍の登場人物がかなりマトモな人ばかりになっているので、その分戦闘はシビアになり、我らがアメリカ海軍空母「ジェファーソン」と搭載された各飛行隊もかなりの痛手を負うのである。そんな戦闘で主人公マシュー・“トゥームストーン”・マグルーダー中佐は空母のCICルームでモニター画面を見ながら、「生還できない可能性のある状況に部下を投げ込む命令を下す」CAG代理としての職務を懸命にこなすのであった。
もちろんアメリカの小説なので、この物語でも最終的にはアメリカが勝つのであるが、この作品ではそこに至る個々の戦闘シーンにおいて、この手の物語に時たま見られるご都合主義がそれほど目立たないので(これが目立つと白ける)、その状況を思い描きながら一気に読むことができた。それにしても、戦争で手柄を立てた軍人は昇進が速いのだなぁ(笑)。
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