読書録:「オケアノスの野望を砕け」クライブ・カッスラー&ポール・ケンプレコス
オケアノスの野望を砕け(上)(下)
クライブ・カッスラー
&ポール・ケンプレコス
訳・土屋 晃
新潮文庫
2006年7月1日発行(上・下とも)
2008年12月29日読了
産卵期の雄の鮭は鼻先が独特の「鼻曲がり」という状態になり、猛々しい顔つきになる。本書に登場する「悪魔の魚」というのは、それを巨大にして凶暴にしたようなものなのだらうか。今回の敵役は、遺伝子操作によって世界の魚資源の独占を図る多国籍企業オケアノス。過激な環境保護団体、バスク独立運動の影の立て役者も絡みつつ、我らがNUMAのオースチンとザバーラのコンビは、オケアノスの企みを阻止できるのか---。
絡める事柄が多くて、ちょっと印象が散漫になった感は否めないし、ザバーラが物語の半分くらい不在なのも物足りないが、相変わらずテンポよくハデなことをやってくれるので退屈はしない。しかしワシントンDCのど真ん中であんな大立ち回りをやったのに、オースチンが何事もなかったかのように過ごせるというのは、ちょっとご都合主義でないかな? と思わないでもなかったりして。まぁでも、映画でもよくあることだし構わないか。(^◇^;)
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