読書録:「知っておきたい日本の神様」武光 誠
知っておきたい日本の神様
武光 誠
角川ソフィア文庫
2005年11月25日発行
2008年12月6日読了
あと1ヶ月もすれば2008年も終了のお知らせが出る季節である。年が明ければ初詣、というのは正月における日本人の古き良き慣わしのひとつ。神社仏閣は大忙しである。そこで、日本各地に数多ある(それこそ“八百万”(笑))神社の成り立ちや祭神の役割を知っておけば、例えば子孫繁栄の神に商売繁盛を祈ったり、家内安全の神に学業成就を願ったりして神様を困らせるようなこともない。そこでこの本の出番である。
日本という国は神様だらけなのだと、本書を読むとつくづく思う。他国、特に一神教の国なら悪魔にされてしまうような行いをしたモノでも、我が国では神様として祀られていることが珍しくない。人々にとって有り難いモノは神様、人々に災いをもたらすモノも神様、生きとし生けるモノ皆すべて神様。古来、日本人は神様と共にあり、共に生きてきたのだということがよく判る。
そう、日本人にとって「神様」とは身近な存在なのだ。決して『神道』という宗教(といっていいのかなアレは)の中にだけ存在するものではなく、また一神教の教祖のごとく崇め奉ってひれ伏すものでもない。戦前、戦中の様々な行いを否定しまくったGHQ史観の呪縛が解けつつある今こそ、私たち日本人は隣におわす神様と改めて向き合ってみるべきだらう。かつて「日本は神の国」だと言って批判を浴びた首相がいたが、実は何も間違ったことは言ってないのだった(笑)。
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