読書録:「椎名誠写真館」椎名 誠
椎名誠写真館
朝日文庫
\740
1995年12月1日第1刷発行
2009年5月30日読了
椎名誠は「写真家崩れの小説家」である。写真家になりたかったのに、気が付くと文章で勝負する物書きになっていたらしい。著者の場合、小説なり映画なりの発想はまず静止画のイメージ、すなわち「写真」からくるという。読者としてはそのイメージそのものを見てみたいと思う。特に、奇妙奇天烈な固有名詞を駆使して描かれるそのSF世界は、さぞかし混沌としているのであらう。
本書に掲載されている数多の写真は人物写真が多い。子供たちの笑顔は実に天真爛漫だが、その瞬間をきっちりと捉えることは簡単ではない。“写真家崩れ”と称する著者であるが、実は単に写真で食っていないというだけで、写真家の才能もきっちりと持っているのだ。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 読書録:「『雪風ハ沈マズ』」豊田 穣(2013.10.28)
- 読書録:「とんかつ奇々怪々」東海林 さだお(2013.09.01)
- 読書録:「レッド・ドラゴン侵攻!(全4部)」ラリー・ボンド(2013.09.01)
- 読書録:「ネコの亡命」椎名 誠(2013.05.07)
- 読書録:「ハーンの秘宝を奪取せよ」クライブ・カッスラー&ダーク・カッスラー(2013.05.01)
コメント