読書録:「空の中」有川 浩
空の中
有川 浩
角川文庫
2008年6月25日初版発行
2009年7月25日読了
読みながら「ラノベだよな、これ」と思っていたのだが、あとがきで著者自身が『私が「大人のライトノベル」がほしかった大人なので』と書かれているのを読んで納得。そういう意図ならこれは“有り”だ。
本書の主人公、といっても主人公格の人物は4人くらいいるのだが、そのひとり春名高巳は、ちょっと人物ができすぎてないか? というくらいカコイイ。それは容姿のことではなく(容姿に関する描写はないし)、彼が話すセリフを初めとする人物描写ができすぎなのだ。また、他の登場人物もその性格がいちいち判りやすい。読んでいて始終感じていた『居心地の悪さ』というか『ムズムズ感』というか、とにかくそういう感覚は多分その辺に起因するのだらう。
そこら辺はワタシの感覚と少し合わないが、物語自体は面白く、ファーストコンタクトもののSF(決してヒコーキ物の話ではない(笑))として気軽に読める、いい作品である。
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