読書録:「ユーコン漂流」野田 知佑
ユーコン漂流
野田 知佑
文春文庫
\476
2001年3月10日第1刷
2011年4月30日読了
久しぶりに読む野田知佑。無駄な物一切をそぎ落とし、オノレの身ひとつだけ(いや、犬もいるか)のための人生を満喫するその姿には正直憧れる。とはいえフツーの庶民であるトコロのワタシとしては社会を捨て去るわけにもいかないので、憧れは憧れで留めておかなくてはならない。著者に比べると己の人生とはなんとつまらない物なのだろう。……とまでは思わないけれど、「自分の幸せも不幸せも自分が決める」という生活は、忙しいけどさぞや充実しているのだらうな、とも思う。
とはいえ、著者だって単独行とはいっても村があれば立ち寄って人と交わり、漂う仲間があれば近寄って話をし、日本から友人が来て共に漕行するとなればウキウキとした気分になる。心底「オノレの身ひとつだけのための人生」を選ぶのであればアラスカの地で暮らすのだろうが、さすがの著者でもそこまではしていないので、やはり著者だって日本の社会の一員でなければ生きてはいけないのかもしれないなぁ。そう思うとなんとなく安心するのである(笑)。
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