読書録:「豪華船は謎を乗せて」辻 真先
豪華船は謎を乗せて―沖縄・神戸もめごとクルーズ
辻 真先
光風社文庫
\485
1996年2月10日発行
2011年7月12日読了
辻ワールドにまたまた名探偵登場。名前ばかりデラックスな貧乏探偵・宝山豪華(これで「たからやま・たけはな」と読ますのはちょっとツライか?w)が、一見すると美少女にしか見えない離婚寸前の女房・あたりと共に、招待されて乗り込んだ豪華客船。船内で繰り広げられる謎解き劇を見事に解いて、豪華はあたりとヨリを戻せるのか―という筋立てである。
今回は事件のトリックにはそれほど無理はないように思えた。無理があるのは登場人物の関係の絡まり方(笑)。誰と誰が夫婦で誰と誰が不倫関係で誰が誰の子供で、というのが謎解きのキーになるのだが、そんなに老会長の周囲の誰それ同士が陰に陽にくっつきまくっていいのかと。それでは会長が可哀想だ(笑)。
ところで、この作品は著者には珍しくお色気シーンが2回もあるのはどうしたことか。もっとも肝心の行為の描写がないあたりは照れ屋の著者らしいのだけれどね(笑)。
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