読書録:「戦闘機「隼」」碇 義朗
戦闘機「隼」―昭和の名機その栄光と悲劇
碇 義朗
光人社NF文庫
\505
1995年10月16日発行
注:アフィリエイトのデータと異なってますが、ワタシが読んだのは初版本、リンク先はカバーと価格を変更した2003年刊の新装版で、ページ数が同じなので中身はたぶん同じです。
2011年8月27日読了
戦争物企画第2弾は日本機の本。陸軍一式戦闘機「隼」は太平洋戦争前半の日本陸軍航空部隊を支えた機体。本書はその「隼」の誕生前夜からその終焉までをつぶさに追い、それを作った人、それに乗って戦った人に焦点を当て、可能な限りその姿を明らかにしていく(ここは先に読んだMe262の本と同じ(^◇^;))。
ワタシは長年、海軍の零戦とほぼ同じ大きさで同じエンジンを用い、なおかつ制式化が1年遅い「隼」が、なぜ零戦より武装が貧弱なのだらう、と思っていたのだが、本書でその疑問が解決した。言ってしまえば「隼」は登場した時から時代遅れだったのだ。開戦当初は様々な要因で通用した本機の力も、もともとのコンセプトが時代に合っていなかったのだから、すぐに通用しなくなるのは自明の理。さすがに陸軍はそれに気付いており、後継機たる「飛燕」「疾風」を開発しはしたが、これまた様々な要因で結局「隼」は終戦まで頑張らなくてはならなかった。しかしもちろんそれは「隼」のせいではない。結果論で言えば、当時の我が国の工業力ではそれが限界だったのだ。悲しいけど。
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