読書録:「カウントダウン」キース・ダグラス
カウントダウン
第14空母戦闘群(6)
キース・ダグラス
訳・栗山 洋児
光人社NF文庫
\905
2000年12月14日発行
2011年11月26日読了
“第14空母戦闘群”シリーズ6作目である。このシリーズ、前作「メイルストローム」を読んだのはちょうど3年前だった(汗)。…ノルウェー沖での“ソ連”艦隊との死闘で損耗した第14空母戦闘群にも補充がなされ、艦隊は再びノルウェー沖へ。その補充された人員の中には「女性を戦闘部隊に配する」テストケースとして、何人かの女性航空機搭乗員がいた。また、折しも同性愛者の入隊も、本人が公表しないことを条件に容認されるようになっており(これは1993年、当時のクリントン政権時代に導入された規定による)、これまで心身ともに男ばかりの職場だった空母ジェファーソン艦内に不穏な空気が漂い出す。そんな時、ロシアで軍部と共産主義者によるクーデターが勃発し内戦状態に。軍部は対立する民主勢力に対し戦略原潜からの核ミサイル攻撃を決意。空母ジェファーソンの戦闘群は核兵器の使用を阻止できるのか――。
というわけで、ロシア軍との戦闘を縦軸に、女性戦闘要員やゲイの問題を横軸にいささか複雑な問題をはらんで物語は展開する。前作の最後でCAG(空母航空団司令)になったマシュー・“トゥームストーン”・マグルーダー大佐は、弾の飛んでこない安全なワシントンから政治家やリベラル勢力がゴリ押してくる(現場はそう考えて当然だらう)この“女性問題”に当惑し、苦悩しつつ苦労して部下をまとめていく。その苦労話が物語の半分くらいを占めているので、派手な戦闘シーンは後半1/4くらい。その苦労がなんか最後のドンパチでうやむやになったような気も若干するが、最後はアメリカが勝つので物語的にはまぁいいんでないかい?w
そのドンパチ部分、米海軍の艦載機として登場する機体はF-14、F/A-18、A-6、EA-6B、E-2、SH-3という90年代中頃の構成。なんかすごーーく懐かしい(笑)。トゥームストーンがトムキャット乗りなので戦闘シーンもトムキャットが多いのだが、今回はイントルーダーもかなり活躍している。それはそうと、トムキャットが積んだAIM-54フェニックスが大活躍してるあたりに、著者のトムキャット愛が感じられていとをかしw
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