読書録:「ヒルクライマー」高千穂 遙
ヒルクライマー
高千穂 遙
小学館文庫
\657
2011年6月12日初版第1刷発行
2011年11月3日読了
やばい。面白すぎる。かつて似たような世界に身を置いていた者として、なんというか「魂を揺さぶられる」という感じである。
ワタシが学生時代にクラブでやっていたのはサイクルツーリングであり、レースではない。しかしワタシも本作中で言う『坂馬鹿』であった。ツーリングのコースには必ず峠道を入れた。必死にペダルを漕いで登り切った峠の頂上で味わうあの感覚は、何物にも代え難いと感じたものだった。さらに、年に一度は登場人物たちと同じようなヒルクライムレースにも出ていた。それはクラブ行事として富士スバルラインでタイムトライアルレースをやっていたからだが、成績のことはともかく(とても自慢できるモノではないw)レース中の描写はまさにその時のもの。自分が四半世紀ぶりに富士スバルラインをよじ登っているような気分にさせられた。
「長い坂を登りつめた果てに、待つものは何なのか」…これは実際にそれをやり、ハマった者にしか判らないだらうが、ちょっとでも興味を持ったならぜひやってみてほしい。ハマる人はハマる。興味を持たない人は絶対にやらないだらうが(笑)。
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