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2012年6月

2012.06.25

読書録:「東海道本線殺人事件」辻 真先

東海道本線殺人事件 (光文社文庫)東海道本線殺人事件
辻 真先
光文社文庫
\485
1996年4月20日 初版1刷発行

2012年6月23日読了

 本線であって本線でない。東海道本線に限らず長大な「本線」は、優等列車で無い限り通しで走る列車はないというのが実情。昨今は並行する新幹線のせいでJRですらなくなってしまってたりする。もう何十年も前から「長大なローカル線」と化しているのが実情である。しかし名前は立派だから、途中でちょろっと伸びる枝線はその支線を名乗っていたことで廃止を免れてたりもする(ちなみにこの物語の初出は1989年なので、その後現在までに廃止された線もあるけどね)。とまぁ、謎解きのヒントはこのくらいにして。

 今回の探偵役はポテトこと牧薩次と恋人のスーパーこと可能キリコ。被害者はキリコの兄の可能克郎で、あろうことか2度も殺された上に命まで狙われてしまうのである(つまり本当は死んでないw)。あっちで起きた事件とこっちで起きた「事故」とそっちで起きた殺人と、最後は東海道本線をキーにすべて結びつく仕掛けの見事さは相変わらずである。鉄道マニアならさらに楽しめるであらうが、逆にディープなマニアだったら後半に入った辺りで先が読めてしまうかも。

 しかしね、ポテトはいったいどこまで朴念仁なんだか。いや愛想は悪くないし無口でもないんだけど、スーパーのナイスバディを目の前にしてなんですやすや寝てられるの!とじれったくなること請け合いである(笑)。

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2012.06.18

読書録:「砂漠の機密空域」デイル・ブラウン

200X年、砂漠の機密空域 (二見文庫)砂漠の機密空域
デイル・ブラウン
訳・上野 元美
二見文庫
\952
2003年6月25日初版発行

2012年6月16日読了

 今度の秘密兵器はなんだい?と思ったら無人戦闘機ときた。それを操る主人公は事故で車椅子生活を余儀なくされている優秀なテストパイロット。ソマリアでの作戦でテロリストの捕虜となった米空軍パイロットと海兵隊員(そのうちひとりは主人公と因縁浅からぬ元テストパイロット)を救出するべく、相変わらず現役のEB-52メガフォートレスは(EB-1はどうなったんだろ)無人戦闘機2機を吊して戦闘空域に向かうのである。

 読みながらなんとはなしに、無人戦闘機はX-47Bみたいなのをイメージしていたのだが、大きさとか性能とかを鑑みるに古のHiMATみたいなもののほうが相応しいかもしれない。そっちのほうがカコイイし(笑)。ま、そんな外見はともかくとして、相変わらずテクノロジー万歳なお話しである。前半はスパイ事件で存亡の危機に立たされたドリームランドを如何に生き残らせるか、みたいな政治的な話が多いのだが、結局はドリームランドが開発した(いや開発中か)新兵器が大活躍することでそんな深刻な話はどっかに吹っ飛んでしまうのである。いや、明快でよろしい(笑)。今回は核兵器も出ないし、安心してドンパチを楽しめるお話しになっていた。良き哉。

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