読書録:「東海道本線殺人事件」辻 真先
東海道本線殺人事件
辻 真先
光文社文庫
\485
1996年4月20日 初版1刷発行
2012年6月23日読了
本線であって本線でない。東海道本線に限らず長大な「本線」は、優等列車で無い限り通しで走る列車はないというのが実情。昨今は並行する新幹線のせいでJRですらなくなってしまってたりする。もう何十年も前から「長大なローカル線」と化しているのが実情である。しかし名前は立派だから、途中でちょろっと伸びる枝線はその支線を名乗っていたことで廃止を免れてたりもする(ちなみにこの物語の初出は1989年なので、その後現在までに廃止された線もあるけどね)。とまぁ、謎解きのヒントはこのくらいにして。
今回の探偵役はポテトこと牧薩次と恋人のスーパーこと可能キリコ。被害者はキリコの兄の可能克郎で、あろうことか2度も殺された上に命まで狙われてしまうのである(つまり本当は死んでないw)。あっちで起きた事件とこっちで起きた「事故」とそっちで起きた殺人と、最後は東海道本線をキーにすべて結びつく仕掛けの見事さは相変わらずである。鉄道マニアならさらに楽しめるであらうが、逆にディープなマニアだったら後半に入った辺りで先が読めてしまうかも。
しかしね、ポテトはいったいどこまで朴念仁なんだか。いや愛想は悪くないし無口でもないんだけど、スーパーのナイスバディを目の前にしてなんですやすや寝てられるの!とじれったくなること請け合いである(笑)。
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