イカロスのファントム本…('A`)
イカロス出版の「世界の名機シリーズ」でファントムが出たので、ファントムフリークを自認するワタシとしてはもちろん買ってきたわけですよ。たった112ページでファントムを語れるはずもないので中身は総花的で、でもドイツやギリシャ、イスラエルなどの近代化改修の内容を結構詳しく書いてあったりして、新しく出た本の役割はきっちり押さえてあってその辺りは好感が持てます。
…駄菓子菓子、オールドファンとしては米軍機の写真解説に間違いが散見されるのがとーっても気になりましてん。それがマーキングに関わることなら、モデラーとしてはその考証は大事なので、そこで間違ってるとそれを参考に作るであらう若い人が道を誤ってしまうのではないかと心配で(ぇ ということで気付いた点を。
●P.2-P.3見開き
VMFA-232のF-4Jですが、吊ってるMk.82がスネークアイであることに触れてないのはまぁいいとしても、この飛行隊がF-4Sに機種改変したのは1972年ではなく1979年です。P.55に書かれているようにS型初飛行は1977年ですし、P.74には1976年のバイセン塗装のF-4Jが載ってます。
●P.7上段
空母にアプローチするF-4BはVF-32のAB200ではなくVF-14“Top Hatters”のAB100。機首をよく見ればモデックスが「100」と書かれていることも判ります。てかここにそのものズバリの写真が載ってますがな。
●P.13下段
写っているのは25TFS/8TFWのF-4Dではなく、18TFS/21CWのF-4Eです。機首下面に機関砲が付いてますよん。ちなみに後方に写っているのは497TFS/8TFWのF-4Dです。
●P.14上段
写っている機体の垂直尾翼上端が赤く塗られているので、497TFSではなく36TFS所属機です。ちなみに497TFSは黒もしくは青です。
●P.15上段
写っているのはF-4CではなくF-4E。機首が見えなくても尾翼のS/Nで調べないのかな。あるいはちょっとググれば同じ時に撮られた別の写真が出てきますし、ついでに言えば57FISがC型を装備していた時の機体塗装はベトナム迷彩でした。
●P.73上から2番目
OS印で垂直尾翼上端が青なので、こっちは36TFSではなく497TFS。
●P.75上から3番目
「なぜこの塗装を施したのかは不明」と書かれてますが、この真っ黒なRF-4Bは1990年8月10日のVMFP-3解散セレモニーに展示されたスペシャルペインティング機です。
あと、キャプションに書かれた米空軍の所属部隊名が、写真によって「飛行隊/航空団」だったり「航空団/飛行隊」だったりするのがちょっと気になりました。ここは統一しとかないと。ワタシ的には「航空団/飛行隊」のほうがすっきりします。
『自分がたまたま知ってたってだけで、後知恵で重箱の隅突きしてんじゃねーよ』と思われる向きもあろうとは思いますが、プロの方々が出版される商業誌なんですから、マニアが判る程度のことはきちんとしててもらいたいじゃないですか。ということで不毛な作業をしてみますた。(´・ω・`)
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